三井ベンチャーズ NEWS

NEWS 2004

[07/14/2004]

パナコス社、タイのバンコクで開催されたXV国際エイズ会議でHIV-1成熟阻害薬「PA-457」の治験第一段階のデータを発表


メリーランド州ゲイサーバーグ―2004年7月14日 ―パナコス・ファーマスーティカルス社は本日、タイのバンコクで開催された国際エイズ会議( International AIDS Conference)に参加し、最近終了したHIV-1候補薬「PA-457」の治験第一段階の結果を発表しました。

PA-457は、HIVの成熟を阻害するというパナコス社の研究員が最近特定した作用点に効果的な治療薬です。PA-457は既存の抗レトロウイルス薬の作用点と異なるため、現在認可されている逆転写酵素阻害薬やプロテーゼ阻害剤などのHIV治療薬に対して耐性を持つHIV分離株にも有効です。現在、薬剤耐性HIVの急速な増加がHIV感染の治療において最大の問題であり、PA-457のような新しい治療薬の開発が求められています。

「HIV-1の成熟を阻害する新しい薬、PA-457の生体内外での動態(The In Vitro and In Vivo Disposition of PA-457, a Novel Inhibitor of HIV-1 Maturation)」(プレゼンテーション#WePeA5644) と題したプレゼンテーションにおいて、パナコス社の薬剤開発担当副社長ディビット・E・マーティン博士から治験第一段階の結果が発表されました。PA-457の安全性および薬物動態学的な研究は、健康な男性ボランティアを対象に、25mg、50mg、100mg、250mgと薬の量を徐々に増やして行われました。

各投与段階では、6人がPA-457を投与され他に2人がプラシーボの投与を受けました。PA-457は全段階において高い安全性を示し、なおかつ経口投与での高い有効利用率を示し、薬物動態学的にも良い結果が観察されました。各分量での血漿血中濃度平均値は目標の治療濃度を超え、特に50mg以上の投与の場合、24時間後も目標治療濃度を越えていました。これによりPA-457は1日1回の経口投与が可能であると言う結論に達しました。

マーティン博士は「治験第一段階の好ましい結果をふまえて、パナコスは複数回投与の第1段階に移りました。これは非感染の健康なボランティアを対象に1日1回の投与を10日間行い、PA-457の安全性と薬物動態学を調査するものです。さらに今年度後半にはPA-457を治験第二段階に移行し、HIV感染患者を対象にテストを行う予定です。」と述べています。また、マーティン博士は同プレゼンテーションで治験以前の研究で明らかになった、認可済みのHIV治療薬とPA-457の交互耐性が無いことについても説明も行いました。

他にも、パナコス社の最高化学責任者であるカール・ワイルド博士によって行われたプレゼンテーション(プレゼンテーション#WeOrA1276)では、PA-457の抗ウイルスターゲットを解明した研究の説明がされました。

PA-457はウイルスのGagタンパク質生成プロセスの後期で発生するカプシド前駆体からカプシド成熟タンパク質に変化するプロセスを阻害します。そして治療後にHIV感染細胞から発芽したウイルス粒子は感染性をもたずに、そこでウイルス複製は終了します。また、このプレゼンテーションでは、国立がん研究所(National Cancer Institute、メリーランド州フレデリック所在)との共同研究で判明したPA-457の活動に関わるGagタンパク質に含まれている特別なアミノ酸についての新しい情報を発表します。

PA-457に関する3つ目のプレゼンテーション (プレゼンテーション#WePeA5643) は、パナコス社の最高執行責任者であるグラハム・アラウェイ博士により行われ、PA-457が生体外ならびに動物モデルでHIV複製を阻害するプロセスについての解説がされました。

細胞培養の研究においてPA-457は、野生株ウイルスに対する効果と同等の効果を薬物耐性HIV株に対して発揮し、今後の薬物耐性ウイルス株の治療における可能性を大いに示しました。さらにアラウェイ博士はGladstone Institute(カリフォルニア州サンフランシスコ所在)の研究者との共同研究で得た結果を発表し、感染済みSCID-huモデルのマウスに経口投薬を行うという実験を通じて、PA-457は強力なHIV複製阻害剤であることを示しました。この研究でPA-457は既存の認可薬EPIVIR(lamivudineまたは3TC)に近い効果レベルを示しました。

パナコス社4つ目のプレゼンテーションでは、ワイルド博士によって行われ、パナコス社が独自に開発したHIV融合の小分子融合阻害剤を特定するハイスループット定量システムの説明が行われました。ペプチドやタンパク質ベースの阻害剤と比べ、経口投与可能な融合阻害剤は既存の認可薬に対する耐性を持つウイルスを含むHIV感染の治療に大きな効果が期待できます。パナコス社は、いくつかの新規低分子阻害物質の特定に成功しており、現在、臨床試験候補を開発するための最適化を行っています。

2004年6月2日に、パナコス社は新しい抗感染技術を開発するバイオテクノロジー会社であるヴイ・アイ・テクノロジース社との合併合意最終段階に入りました。この取引は2004年の第3期に終了する予定で、両社の株主の承認および他の慣習的な終了条件を満たすのを前提としています。

パナコス・ファーマスーティカルズ社について

パナコス・ファーマスーティカルズ社は、HIVおよび他のウイルス性の病気の小分子経口投与可能薬の発見と開発をしており、同社が特許を持つ発見技術はウイルスのライフ・サイクルに注目し、とくにウイルス性感染の最初と最後の段階である融合と成熟段階の研究をしています。

http://www.panacos.com/